舞妓

ふれる京都

舞妓さん



舞妓さん



京都の代名詞ともいえる、優美で華やかな舞妓さん。

舞妓さんの歴史や、舞妓さんから芸妓さんへの過程、舞妓さん姿の特徴、
花街(かがい)やお茶屋さん、舞妓さん体験などについてご紹介します。




◆芸妓さんと舞妓さん

「芸妓」とは、酒席に侍って舞や音曲・鳴物で宴席に興を添え、
客をもてなす女性のことで、一人前の芸妓になるまでの見習い
修行段階の女性を「舞妓」と呼ぶ。


◆舞妓さんの始まり

今からおよそ300年前、北野天満宮や八坂神社の門前町にあった茶屋で、参拝客に
お茶や団子をふるまう女性たちが、舞や歌を披露するようになり、人が集まるように
なりました。

この女性たちが、今でいう「芸妓」にあたります。

そして、茶屋同士が客を集めるために、競って少女にかわいい着物を着せ、舞を
踊らせるようになり、これが「舞妓」の始まりだといわれています。


◆舞妓さんになるには

舞妓さんはおおむね20歳までの娘さんに限られています。

舞妓さんになるためには、置屋に住み込み、手伝いをしながら、花街のしきたりや
行儀作法、舞や花街ことばについて、約1年間修行します。

この期間を、「仕込みさん」といいます。


◆見世だし

花街で修行を積んで、舞妓さんとしてお披露目することを「見世出し」といいます。

舞の習得が出来たと判断され、仕込みさんとしての修行が終わると、「見世だし」に
向けての準備が始まります。

置屋の女将は、物心両面で支える姉芸妓さんを決め、姉妹の盃が交わされて、
姉芸妓さんの一文字をとって名前が付けらます。

また、姉妹の仲を取り持ってくれる仲人(お茶屋の女将)と、見世出し前の見習い
期間の約1か月間お世話になる、見習い茶屋を決めます。

見世だしの日までお茶屋さんの仕事を手伝いながら、約1か月間、実際のお座敷に
でるための勉強をします。

この期間を「見習いさん」といいます。

見習い期間は、雰囲気に慣れるように、見習い茶屋を中心に様々なお茶屋で、他の
舞妓さん・芸妓さんについてお座敷を勤めます。

見習いの頃は「半だら」の帯、見世出し後は「だらりの帯」を締めます。


◆芸妓さんへ

舞妓さんは、20才に近づく頃には「襟替え」をして芸妓さんへと姿を変えます。

襟替えとは、舞妓から芸妓へ変わる儀式で、舞妓の赤い襟から、芸妓の白い襟に
替えることからこのように呼ばれます。

襟替えまでの半月程は、「先弄(さっこう)」と呼ばれる髪型に結い上げて、
「お歯黒」をつけます。

襟替え前日の「先弄」の最後の夜に髷(まげ)にはさみを入れて、襟替え当日は
新調した鬘(かつら)をかぶり、芸妓さんになります。

芸妓さんは、舞と鳴り物を担当する「立方」と、三味線や長唄などを担当する
「地方」に大きく分かれます。

三味線や唄の習得にはかなりの年月を要するので、「立方」は若い芸妓さんが多く
「地方」は年配の芸妓さんが多いです。

芸妓さんには年齢制限がありません。


◆舞妓さんの姿

舞妓さんの姿はとても華やかで艶やかです。
この姿は、江戸時代の呉服問屋の娘さん達の姿だといわれています。

艶やかな着物や、それを引き立てる様々な小物など、舞妓さんスタイルの特徴を
ご紹介します。

『花簪(はなかんざし)』

頭につける花簪(はなかんざし)は、1月から12月までの季節の
もの(主に月々の季節の花)をあしらってあり、とても繊細で美しいものです。

1月-松竹梅 2月-梅 3月-菜の花・桃 4月-桜 5月-藤・あやめ 
6月-柳・あじさい 7月-祇園祭 8月-すすき・朝顔 9月-ききょう 10月-菊 
11月-もみじ・いちょう 12月-顔見世招き

(12月の「顔見世招き」とは、南座の顔見世(1年の締めくくり行事)の看板の
ミニチュアで好きな役者さんにサインを入れてもらうこともあります。)

一般的に、若い舞妓さんはふさが付いたかわいらしい花簪、少しお姉さんの
舞妓さんは粋な大輪の花簪、のように、舞妓としての経験を重ねていくにしたがって
小さくて「かわいらしい」ものから、大きくて「きれい」な花を飾るようになります。

『日本髪』

舞妓さんの日本髪は、かつらではなく、自分の髪で結われます。

舞妓さんは髪結い屋さんに行って、数時間かけて自分の髪を結ってもらい、約1週間
その状態で過ごします。
寝る時も普通の枕ではなく高枕で毎日寝ます。

髪型にも種類があり、舞妓見習い期間は「割れしのぶ」に結い、見習い用の
かんざしを付けます。

見世出しをすると、季節ごとの花かんざしを付けます。

2~3年を過ぎると「髷替え(わげかえ)」という儀式をして、「割れしのぶ」から
「おふく」に結い変えます。

また祇園祭の時などは「勝山」に結います。

(芸妓さんになると自毛ではなく鬘(かつら)をつけます。)

『お化粧』

お化粧は自分でします。

ろうそくなどの薄暗い中でもはっきりと顔が見えるようにとの古くからの工夫の
名残りで顔を白く塗ります。

最初の1年は、下唇にしか紅をさしません。
見世出しから1年経って姉芸妓の許可を得ると、上唇にも紅をさすようになります。

『着物』

着物は、全て置屋の女将さんのもので、振り袖にだらりの帯です。
(芸妓さんの着物は、留め袖に太鼓帯です。)

着物の柄にも舞妓さんの年齢によって違いがあり、若い舞妓さんほど柄も華やかで
肩の方まで模様が入っています。
お姉さんになるほど柄が少なく、シンプルなものになっていきます。

半襟についても、若い舞妓さんほど赤い部分が多く、お姉さんになると白っぽくなって
いきます。

『ぽっちり』

ぽっちりとは、一般の着物でいう「帯留め」の事ですが、普通の帯留めに比べて
大きく、装飾は大変贅沢に施され、舞妓さんの衣装をひときわ煌びやかに彩ります。

『おこぼ』

舞妓さんの足元、厚底の履き物を「おこぼ」といいます。

高さが約12cmあり、桐の台に畳表で、底がくり抜かれて空洞になっていて、そこに
鈴がつけられています。

歩くたびに風情ある音と鈴の音が響いて、舞妓さん独特の雰囲気を演出します。

花街では、若い舞妓さんは赤い鼻緒、少しお姉さんになると淡いピンクなどの鼻緒の
おこぼでお座敷に向かいます。







◆舞妓さんの名刺

京都では、舞妓さんがお客様へ、お名刺がわりに自分の名の入った千社札を
お渡しするという慣習があり、人によって背景の色や柄など、デザインが違います。

大切なごひいきだけに渡す花名刺もあります。

舞妓さんの千社札をお財布に貼っておくと「お金が舞い込む」とも言われています。


◆花街(かがい)とお茶屋遊びについて

花街は、門前町にあった茶屋が、参拝客に料理やお酒を提供するようになり、
そこに客をもてなす舞妓さん・芸妓さんが現れてひとつの町として発展しました。

お茶屋という名称はその名残で、古くから引き継がれるしきたりも数多くあります。

お客が酒席をもうけたい場合は、お茶屋に相談すれば、女将が置屋に連絡して、
芸妓や舞妓の手配をします。

京都では、お茶屋と料理屋は分業されていて、お茶屋で食事をする場合は
料理屋からの仕出しとなりますので、お酒や料理の手配をします。

花街にある多くの茶屋では、紹介者なしでは、お店に入ることができません。
花街では、お茶屋遊びの当日の花代や御祝儀、食事代などの諸経費は、全て
お茶屋がたてかえて、後日お客に請求します。

馴染みのお客とお茶屋の間に相当の信頼関係がなければ成り立たちません。
そのため、身元のわからない初めてのお客さんはお断りすることになっています。

そして、初めてのお客さんだと、好みがわからず、満足いくおもてなしができない
というのも理由のひとつです。

また、お茶屋遊びをするさいに、お店を変えるということは、そのお店を裏切ることに
なるので、お店を1軒だけにきめて、他のお店には行かないというルールもあります。


京都には現在、「祇園甲部(ぎおんこうぶ)」「上七軒(かみしちけん)」
「宮川町(みやがわちょう)」「先斗町(ぽんとちょう)」「祇園東(ぎおんひがし)」の
5つの花街(かがい)があります。

花街には、300年を超える長い歴史があり、それぞれの花街に踊りの興行があって
一般の方が舞妓・芸妓の優美な舞を楽しむことができます。

京都の華やかなイベントのひとつである「をどり」ではそれぞれの花街の
舞妓・芸妓が総出演し、芸を披露します。

*祇園甲部の「都をどり」(4月・祇園甲部歌舞練場)
*上七軒の「北野をどり」(4月・上七軒歌舞練場)
*宮川町の「京おどり」(4月・宮川町歌舞練場)
*先斗町の「鴨川をどり」(5月・先斗町歌舞練場)
*祇園東の「祇園をどり」(11月・祇園会館)

それぞれの歌舞練場で開かれます。


◆お茶屋の造り

お茶屋の造りは、間口が狭く奥行きが広い、ウナギの寝床のような造りが
ほとんどです。

まず格子戸をくぐると「玄関の間」があり、すぐ二階のお座敷へ続く階段が見えます。

「お座敷」には、部屋が2~3部屋あり、一階の玄関の間の奥には、女将が帳面を
つけたり、芸妓がお酒や扇子を取りに来たりする、「お台所」があります。

その次に女将の居住部分である「奥の間」があり、「裏」と呼ばれる炊事場です。

その奥には、中庭や、離れ座敷があることもあります。


◆舞妓さんの1日

朝起きて髪をとかす
  ↓
9時ごろからお昼ごろまで、朝のお稽古
  ↓
茶屋さんへご挨拶
  ↓
お昼ごはん
  ↓
お座敷に上がるまでの時間は、好きなことや、掃除やお稽古の復習、
お遣いなどをして過ごす
  ↓
夕方までにお座敷の準備
(髪を梳いて、かんざしを挿して、白粉や紅を塗って、最後に着物を着せてもらう)
  ↓
夕方からお座敷
(お客さまの前で舞を披露したり、お酌をしたり)
*お座敷は、忙しい日は1日に5軒くらいのお茶屋さんを行き来する
  ↓
帰ってくるのが、12時~午前1時くらい
  ↓
白粉を落とし、着物を片付け、寝るのは2時くらい

お座敷へ向かう、夕方から夜にかけての時間帯なら、街で舞妓さんや芸妓さんに
出会えるかもしれません。


◆舞妓さんの休日

お休みが取れる時には、髪もといて普通の服を着まて、映画を観に行ったり、
お買い物に行ったりする舞妓さんもいれば、休日も着物を着て過ごすことが多い
という舞妓さんもいます。


◆舞妓さん姿体験

憧れの舞妓さんのような着物を着てみたい、
舞妓さんみたいに街を歩いてみたい、そんな体験の
できるお店がたくさんあります。

きれいな舞妓さん姿で、街をお散歩してみたり、人力車に乗ってみたりするのも
いいですね。

舞妓さん体験につて、少しご紹介します。
順序は変わる場合もありますが、だいたい次のような流れです。

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「お化粧」

メイク落として、顔に『鬢付け油』を塗ってから、『白塗り』のお化粧をします。
アイラインと眉毛を描いて、紅をします。
目の回りにつける紅は、魔除けの意味があると言われています。

  ↓

「かつら」

10cmくらいの髪の長さがあれば、半かつらを使って自毛で結い上げることが
できます。

自分の前髪と横の髪の毛を、油を使ってかつらにきれいになじませると、自然な
日本髪に仕上がります。

髪の毛が茶色や金髪でも、希望によって一時的に黒く仕上げる事ができます。

  ↓

「着付け」

着物を選び、着付けをします。
襟を深く抜いて肌襦袢を着て、その上に襦袢、襟、着物を重ねます。

帯は、約7メートルくらいある長い帯で、手結びしてくれるところが多く、より本物の
舞妓さんらしくなります。

季節にちなんだ「かんざし」をつけます。

着物は、本物の舞妓さんが着る古典柄をはじめ、流行の柄や色を取り揃えてある
ところが多く、好きな柄、色を選ぶことができます。

  ↓

「記念撮影」

お店の中や、外に出て写真撮影をします。

  ↓

(プランによっては、お散歩や観光など…)

  ↓

「プラン終了」

着物を脱いで、お化粧直しをします。

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所要時間は、お化粧 → 半かつら → 着付け → 写真撮影等で、約1時間くらい、
お化粧を落としてお着物を脱いだりするのに約20~30分程度と、お化粧直しの
時間がかかります。

いろいろなプランを用意していることが多く、プランによっては撮影時間や、
自由時間が長く取れるものもあります。

洗顔料、シャンプー、タオル等が揃えてあって、自由に使えるところもあります。

一人で舞妓さん体験をしたいという場合には、お店の方が背中のお化粧落とし
などを手伝ってくれますし、お散歩をしたいときには、同行してくれて、写真を
撮影してもらえるところもあります。

お化粧、着物、小物などについて、「伝統的な舞妓さん」風、「今の舞妓さん」風、
または「可愛らしく」、「お姉さん舞妓さん風」になど、希望を伝えて相談することが
できます。

彼氏や家族が一緒でも、舞妓さんに変わっていく過程を一緒に見てもらったり、
その様子を写真に撮ったり、一緒にお着物を選んだりできるお店もあります。

お店の方にいろいろ相談したり、教えてもらうこともできますし、いろいろなお話を
聞くこともできますので、お友達同士、彼氏や家族と一緒に楽しむのも、
一人で満喫するのもいいですね。


 
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