京菓子 |
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京菓子 |
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京菓子京都は、長い間、御所があり、神社仏閣の中心の地でもあり、 京都では古くから、宮中や貴族の行事や儀式、神社仏閣の供物として京菓子が作られ、 茶道文化とともに京菓子文化が受け継がれてきました。 優美で繊細な京菓子の歴史や、代表的な京菓子などについてご紹介します。 |
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京都は、菓子作りに欠かせない良質の水に恵まれ、近江の米、丹波の小豆や 栗など、菓子の材料になるものが豊富にありました。 このような歴史と環境から京都で菓子の文化がうまれ、茶道の文化の発展とともに 菓子の、色、形の美しさや、味覚、銘が磨かれてきました。 ![]() ◆京菓子の歴史 古代 菓子の起源は、古代にまでさかのぼります。 十一代垂仁天皇の命を受けて、田道間守命(たじまもりのみこと)が、 常世の国(現在の韓国斉州島といわれる)へ渡り、10年もかけて命がけで 持ち帰った橘(たちばな)の実が、 日本での菓子の始まりと伝えられています。 古代、菓子は、果物や木の実などの「果子」で、橘や柿、栗の実などでした。 その後、穀物を加工の技術が生まれて、小麦粉やうるち米やもち米を使った餅や 団子が作られるようになりました。 奈良時・平安時代 奈良時代に入ると、遣唐使により仏教と共に大陸から「唐菓子(からくだもの)」が 伝わりました。 唐菓子は、米粉や小麦粉をこねて油で揚げた菓子で、宮中の行事や神社仏閣の 供物として用いられ、平安時代には貴族の宴卓に欠かせないものとなりました。 現在でも、下鴨神社など、祭事の供物として残されているところがあります。 当時の儀式などの際、干菓子(松の実、干なつめ等)、木菓子(栗、橘、柿等)、 唐菓子が用いられ、節句などのしきたりもこの頃にできて、そこでも菓子が 用いられるようになりました。 また、粉をこねたり、油で揚げたりする唐菓子の技術が、粽(ちまき)や、椿餅、 おこし、煎餅などの和菓子の原型となりました。 京都の下鴨神社や奈良の春日大社など、現在でも祭事の供物として姿が 残されているところがあります。 御所や宮家公卿の家に菓子を納めることができたのは、優れた腕を持つ菓子司に 限られていて、技を競って献上菓子を創作しました。 鎌倉・室町・安土桃山時代 鎌倉・室町時代にかけては、栄西禅師が茶の湯と点心・味噌を伝え 点心のなかでは、羹(あつもの)や饅頭が根付き、つくね芋を使う 薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)など、多くの饅頭がつくり出されました。 また、お茶と菓子は関わりの深いものになりました。 茶会の菓子は、柿や栗などの果物、餅類などで、利休は「フノヤキ」という 小麦粉を水に溶いて焼いたものの片面に味噌を塗って巻いた、素朴なものを好んで 使いました。 室町時代になると、それまでは主食または補食だった菓子が喫茶の習慣とともに 中間食の「点心」として用いられるようになり、これまでは公家・貴族など 上流階級のものだった菓子が、庶民にもひろがり、社寺の門前などに茶店が 開かれるようになりました。 またこの頃、中国から来日した僧より、饅頭や羊羹の作り方を伝えられたと いわれています。 室町時代頃より、ポルトガルから、カステラ、ボウロ、コンペイトウなどの 「南蛮菓子(なんばんがし)」が伝わりました。 卵や砂糖をふんだんに使う南蛮菓子は、それまでの日本にはなかったもので、 その後の和菓子に大きく影響を与えます。 ![]() 江戸時代 江戸時代には、近江・丹波地方の穀物が流入、サツマイモの 栽培奨励によって作られた、道明寺粉や白玉粉などの 新しい米粉と、京の良質の水によって菓子づくりが 発展しました。 落雁類や求肥もつくられるようになりました。 茶の湯では、様々な道具や、菓子器に銘が付けられるようになり、 「古今和歌集」などの古典文学から銘をつけた菓子も生まれ、京都の四季折々の 風物や花鳥風月に因んだ京菓子が作られるようになりました。 また、このころ、上菓子屋が集まって「上菓子屋組合」をつくって、白砂糖の使用と 上菓子をつくることを独占しました。 明治時代 明治維新によって、多くの外国文化がとともに、洋菓子が伝わり、動物性の バターやミルクなどを使った、ビスケット、アイスクリームなどの菓子が販売される ようになりました。 砂糖の輸入が増えて、京菓子は一般庶民にも広く普及するようにになりました。 大正・昭和 洋菓子が広がるとともに、保存技術が発達して、生八ッ橋などの商品が 土産物としてつくられるようになります。 ◆お菓子の神様 京都市左京区にある吉田神社の境内に、菓祖神社があります。 十一代垂仁天皇の命を受けて、田道間守命(たじまもりのみこと)が、 常世の国(現在の韓国斉州島といわれる)へ渡り、10年もかけて命がけで 持ち帰った橘(たちばな)の実が、 日本での菓子の始まりと伝えられています。 橘は、「非時香菓」(ときじくのかぐのみ)と呼ばれていて、当時の菓子としては 最高のものとして珍重され、命を長らえることのできる実ともいわれました。 ようやく非時香菓を持って戻ってみると天皇は既に亡くなっていて、田道間守命は 悲嘆の余り、その御陵に非時香菓を献げて息絶えてしまわれたとのことです。 田道間守命は、菓祖神社の御祭神、菓子の祖神として崇敬されています。 ◆京都の和菓子 京都の和菓子屋は、「上菓子(じょうがし)屋」「おまん(饅頭)屋」「お餅屋」の 3つにわかれます。 「上菓子屋」でつくられる上菓子を、『京菓子』といます。 宮中や公家、寺社、茶家で、行事や儀式に用いられた献上菓子(けんじょうがし)の ことで、長い歴史と伝統を持っています。 また、上菓子を作る職人のことを「菓子匠」「御菓子司」といいます。 「おまん(饅頭)屋」、「お餅屋」では、饅頭や、だんご、餅菓子など、普段庶民が 食べるお菓子がつくられます。 京都では、お茶席やおもてなしには、饅頭や餅ではなく、京菓子が用いられます。 ![]() ◆京菓子の五感と季節感 京菓子は五感で味わうもので、色や形を目で味わい、 口で感触を味わい、味を味わい、素材の香りを味わいます。 そして、菓子の名前を聞き、銘を耳で味わいます。 京菓子は茶道に関係が深く、五感で主人の想いが伝わるように、茶会の趣にあう 菓子を用意します。 京菓子は、二週間ごとに季節が変わるといい、お菓子に季節を表現することが 一番大切なことだといいます。 桜で春を、紅葉で秋を、というように季節に因んだ物で表すだけでなく、桃色で 桜の季節を、紫色で藤の季節を、というように一つの形で色の重ね方や組 ![]() み合わせ方で、季節感を表すこともあります。 ◆代表的なお菓子の一例 ◇練り切り 餡に、つなぎとして求肥やつくね芋を混ぜて蒸した生地の ことです。 つなぎに薯蕷(大和芋)を使ったものを、薯蕷練り切りといいます。 よく練ってつくることから名前がつけられました。 生地に色をつけて、木型に押し付けて形をつくったり、生地を何色も練り合わせて 竹ベラなどを使って細工を施したりします。 花や草、季節を表すものを色と形で表現します。 ◇きんとん 色をつけて、裏漉ししてそぼろ状にした練り切りを餡玉の周りにつけて仕上げます。 桃色で桜、紫色で藤、のように、色合いで季節感を表わします。 形が同じなので、色とともに、銘によって季節感を表現する幅が広がります。 練り切りを使わず、栗だけで作ったきんとんもあります。 ◇薯蕷(じょうよ)饅頭 ヤマイモのことを薯蕷(じょうよ)といい、すりおろして饅頭の皮のつなぎに使って 餡などを包んで蒸した饅頭のことを言います。 薯蕷は蒸すとふくらむ性質があり、やわらかい食感の饅頭になります。 ◇葛(くず)菓子 葛粉は、寒期に葛の根を掘り出して作った良質の澱粉で、葛菓子とは、葛粉で つくった菓子のことです。 葛粉と砂糖を煮溶かして透明に練り上げて、餡を包んで絞りにしたり、型に流して 固めます。 透明感があって涼しげなので、夏の菓子に好まれます。 ◇求肥(ぎゅうひ) 白玉粉に水と砂糖を加えて蒸して、さらに水飴を加えて火を通しながら 練ったものです。 牛のなめし皮のようになめらかなお餅の風味から、昔は「牛皮」といわれましたが その字を忌み、「求肥」と呼ぶようになりました。 ◇懐中善哉(かいちゅうぜんざい) 「懐中善哉」や「懐中しるこ」と言われています。 餡を乾燥させて砂糖を加え、餅粉で作った煎餅状の皮で包みます。 熱湯を注いで、餡と皮をとかして、ぜんざいにして食べます。 京都では、古くから、暑い夏に熱いものを食べてひと汗かくと身体に良いと 言われていて、もともとは夏のお菓子です。 外出にも懐にしのばせて行けるということでこの名前で呼ばれています。 ◇州浜(すはま) 大豆をいって挽いた州浜粉に、砂糖と水飴を加えて練り上げた生地を棒状にした 棹菓子で、干菓子のひとつです。 洲が入り組んでいる浜辺の事を、州浜(すはま)といい、京都の老舗でつくられた 「すはま」の断面が、州浜紋に似てたことから、「州浜(すはま)」という名前に なりました。 今では、大豆粉を使ったお菓子のことを「すはま」と呼びます。 ![]() ◇打物(うちもの) 餅を延ばして鉄板で焼いたものを、挽いて 粉末にしたものを、微塵粉(みじんこ)といいます。 微塵粉に砂糖を加えて、少し水をさしてしっとりとさせたものを、木の型に入れて 打ち出した菓子です。 干菓子(ひがし)の一種で、落雁(らくがん)などもこの打物のひとつです。 ◇こなし こし餡に薯蕷(じょうよ)粉(または薄力粉)を混ぜて蒸し、砂糖水を加えながら 練り上げたもので、蒸し菓子の一種です。 独特の弾力があり、色をつける、巻く、包む、型を抜く、絞る、など、さまざまな 色、形の菓子に仕上げることができます。 京都独自の素材で、熟練の技を必要とします。 ◇棹物(さおもの)、棹菓子 羊羹(ようかん)や、外郎(ういろう)など、練った材料を棹などに流してかためる 細長い形をの菓子のことです。 食べるときに切り分けて食べます。 ◆お菓子の道具 ◇菓子型(かしがた) 押し菓子、打ちものなど、菓子の型をとる道具で、細かい部分まで彫刻された 木型で、材質は桜の木がほとんどです。 ◇箸、へら きんとんなどの菓子をつくるときに箸をつかい、練り切りなどのお菓子を作るときは 竹のヘラをつかいます。 箸やヘラは、使いやすいように、職人が作ることが多いそうです。。 ◇焼印 饅頭やせんべいなどに焼印をつける鉄製の道具で、その時々にあった印を つけます。 |
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